2008年05月26日

ジュリアン・ラクリン イタマール・ゴラン リサイタル

[クラシック倶楽部を楽しむ] 本日のプログラム

[NHK BShi 5月19日放送分]

ジュリアン・ラクリン イタマール・ゴラン リサイタル

(演奏曲目)

  四つのロマンチックな小品 作品75 ( ドボルザーク作曲 )
  バイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45 ( グリーグ作曲 )
  序奏とロンド・カプリチオーソ ( サン・サーンス作曲 )

(演奏)

  バイオリン : ジュリアン・ラクリン
  ピアノ   : イタマール・ゴラン

 [ 収録: 2008年3月17日, 紀尾井ホール ]

[所感]

ごきげんよう。「クラシック倶楽部を楽しむ」のクラシックマです。

本日の「クラシック倶楽部」は、バイオリンのジュリアン・ラクリンとピアノのイタマール・ゴランによるデュオ・コンサートです。

ラクリンとゴランは同じリトアニア出身ということです。

バイオリンのラクリンについては、すでに10歳のころから神童として演奏活動を始めたといいますからオーディションなどには関係なくこの世界にバイオリニストとして認められてきたという経歴を持っています。

また、ゴランも7歳の時にピアノリサイタルを始めて、その後いろいろな指揮者や演奏家と共に音楽活動をしてきたという、これまたオーディションに関係なく自らの天分によって今日の地位を築き上げてきた経歴の持ち主といえます。

年齢的にも、ラクリンが1974年生まれ、またゴランは1970年生まれということですから二人とも30歳代中ごろのまさに働き盛りということができます。

このように、ある意味で音楽経験に共通性を持った個性的な二人が揃ったのですから、アンサンブルとしては非常に興味深いものとなっていました。

まず、ドボルザークの「四つのロマンチックな小品」です。

ラクリンとゴランは、4曲の曲想が全く違って聴こえてくるように見事に演奏してくれました。

これはドボルザークが作曲したときにそのように意識して作っていたのかも知れませんが、第1曲目はカノン風の旋律で(祈り)、第2曲目は民族舞曲風な旋律で(踊り)、第3曲目はメンデルスゾーンのようにロマンティックな旋律で(愛情)、そして第4曲目はベートーベンのような幻想的な旋律で(瞑想)、演奏表現されていて、ラクリンとゴランの音楽性の高さには驚いてしまいました。

また特徴的なことは、バイオリンとピアノが常に対等であり、ラクリンもゴランも主従関係にないと考えて音楽づくりをしていたところではないでしょうか。

このことは、次に演奏されたグリーグの「バイオリン・ソナタ第3番」でもはっきり表れていました。

たまたま、「バイオリン・ソナタ」という言葉が使われているだけで、本来は「バイオリンとピアノのための二重奏曲」というのが正しいと主張していたような迫力のある演奏でした。

グリーグの民族主義的な旋律が現れる第1楽章の冒頭は、激しい感情でピアノとバイオリンがぶつかり合うように聴こえ、思わず息をのむ思いでした。

第2楽章に入ると、ピアノから水面に水滴の落ちるような導入旋律が流れ、バイオリンが静かな清流の情景を奏でるという絶妙な音のやり取りが行われます。

そして、第3楽章はノルウエーの森で営まれるお祭りの場面に聴く者も一緒に加わったような気分の中で、バイオリンとピアノが調和と主張を繰り返して終わります。

ラクリンとゴランの演奏は、まさに音の世界の中で戦いをしていたように感じました。

それでいて、素晴らしいアンサンブルに仕上がっていたということは、二人の技術的完成度と音楽性が優れているということを物語っていたのではないでしょうか。

最後に、アンコールだと思いますが、サン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」が演奏されました。

この曲のこんなに面白く楽しい演奏にはなかなかお目にかかれないと思います。

自由自在に動くテンポ、息のぴったり合ったメリハリのつけ方、旋律の見事な受け渡しなど、とても興奮しながら聴くことができました。

少々、ゴランのピアノは、はしゃぎすぎかなと思われるくらいでしたが・・・。

本日の「クラシック倶楽部」では、ジュリアン・ラクリンとイタマール・ゴランという素晴らしい天分に恵まれた二人によるデュオ・コンサートを聴きましたが、非常に個性の強い二人のアーティストが音の世界の中で戦いを繰り広げるようなダイナミックな演奏を楽しめたと思います。

以上、「クラシック倶楽部を楽しむ」でした。
posted by クラシックマ at 01:30| Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック倶楽部を楽しむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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