2008年05月23日

「クラシック倶楽部を楽しむ」回顧2

しばらくのご無沙汰でした。クラシックマです。

遠く離れていても、いつも意識していて自分の人生と何がしかの関わりを感じているというような人、たとえば、両親、兄弟、恋人、親友、恩師などは誰にでもいるのではないかと思います。

私、クラシックマにも遠く離れてはいるけれど、いつも身近に感じていた大切な人がおりましたが、何の前兆もなく突然亡くなってしまいました。

常に前向きで積極的な人で、若い時に大学へ行けなかったと言って、放送大学で学び卒業を果たし、書道を始めれば師範にまで昇りつめ、近所の小中学生のために書道教室を開き、地域に根付いた活動をするという行動派でした。

葬儀に参列しましたが、泣きながら遺影に向かって掌を合わせている小中学生の姿を見て、改めて人は死んだ後に生前の生きざまを明らかにするものなのだと、深い感慨に陥ってしまいました。

遠くにいたため、時々電話で元気な声を聞くくらいで、もっと話をしておきたかったという悔恨の念に駆られています。

この十日ばかりは、とても悲しくて放心状態だったため、音楽は聴くのですがそれを文章にするという気力がなかったのです。

でも、私、クラシックマも前向きで積極的な生き方をしなさい、と故人に語りかけられているようで、少しずつ気力を取り戻しつつあるように感じています。

時が経つというのは萎えた心の回復には最も良い薬なのかもしれません。

このような状態の中でも「クラシック倶楽部」を聴くことはありましたが、5月14日に放送された「タリス・スコラーズ演奏会」ではルネッサンス時代の教会音楽で美しいアカペラの旋律が終始流れて、心を浄化してくれるようでした。

また、翌日の西宮・夙川カトリック教会における「バロック・アンサンブルの響き」では、ヘンデルの「メサイア」やバッハの「イエスはわが喜び」などが演奏され、悲しい気持ちを勇気づけられるような感覚を覚えました。

宗教的な立場はどうであれ、教会音楽というのは何世紀も前から凄いパワーを人々に与え続けてきているということを実感しました。

本日は「回顧2」というタイトルで始めましたが、私、クラシックマの身辺の出来事に終始してしまって申し訳ありません。

このブログを始めて3か月余になりましたが、本当にたくさんのアーティストと出会うことができました。

そして、多くのアーティストたちが厳しいオーディションに挑んで、栄光の座に立ち、そこを起点としてデビューし、音楽界で認められるように研鑽を積んでいく姿を見てきたような気がします。

また、このようなアーティストが10年、20年と演奏活動を続け、作曲家やその作品に対する理解を深めて、円熟期に達した演奏の素晴らしさにも触れることができました。

特に印象的だったのは、ピアニストではショパンのバラードを第1番から第4番まで聴衆の拍手を静止して弾き続け、自分の人生と重ね合わせるように聴かせてくれたウラディーミル・フェルツマンの演奏ではなかったかと思います。

また、小山実稚恵がスクリャービンという作曲家を取り上げて、その前半生と後半生の作風の変貌について見事に演奏表現によって説明してくれたことも印象深いものでした。

3か月間の後半では、特に円熟期に達したピアニストが取り上げられることが多く、ジャン・マルク・ルイサダの作曲家の作品を越えて自分の世界を作り出す演奏や、野平一郎がヤマハのコンサートピアノで“魂の入ったピアノの音色”を聴かせてくれた演奏、また仲道郁代が自ら口ずさみながら楽しく聴かせてくれたエロイカ変奏曲など、ここには書き切れないほど個性的で音楽性に富んだ円熟期のアーティストが登場しました。

一方、若手のピアニストでは、アリス・紗良・オットが異色で、恐るべき天分を持った演奏を聴かせ、これからもっと音楽体験を積んでいって成長するアーティストの一人であると感じさせました。

なおこの間、バイオリニストはあまり取り上げられなかったのですが、ギル・シャハムはモーツアルトのバイオリン・ソナタを1曲演奏しただけで聴衆を虜にしてしまうような深い音楽性を持っていたように思います。

また、若手バイオリニストでは前半にも登場したアリーナ・イブラギモヴァがバッハの無伴奏バイオリン・パルティータ第2番を現代弓を使いながら、あたかもバロック弓のように弦に弓を密着させて弾き通したテクニックの凄さが印象に残っています。

アンサンブルもたくさん取り上げられていて、どれも楽しい演奏を聴かせてくれましたが、ハーピストの吉野直子が企画したハープ五重奏の世界は、素晴らしい物語を表現していたアンサンブルだったと思います。

また、フルートの名手ウォルフガング・シュルツの率いるウィーン・フィルハーモニア弦楽三重奏団やトランペットの名手イーゴリ・シャラポフを中心としたロシアン・ブラスの演奏は、まさに名人芸がそこにあって驚かされるとともに非常に楽しいアンサンブルでした。

このように書いていくとキリはありませんが、NHKの「クラシック倶楽部」はわずか1時間弱という時間制限の中で、視聴者に多くの音楽体験を与えている番組だと改めて感じてしまいます。

私、クラシックマは落ち込んだ気持から立ち直って、これからも素晴らしいアーティストとの出会いを楽しみながら、また「クラシック倶楽部を楽しむ」という拙いブログを書き続けていきたいと思っています。

このブログにお立ち寄りいただく皆さん、本当にありがとうございます。そして、今後ともよろしくお願いいたします。

                     管理人 クラシックマ
posted by クラシックマ at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 回顧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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