2008年04月25日

イム・ドンミン & ラファウ・ブレハッチ

クラシック倶楽部を楽しむ] 本日のプログラム

[NHK BShi 4月18日放送分]

イム・ドンミン & ラファウ・ブレハッチ

<プログラム1>

  ピアノ イム・ドンミン

(演奏曲目)

  シューベルト 4つ即興曲D.899

(会場)

  日本大学カザルスホール
  (2006年11月29日収録)

<プログラム2>

  ピアノ ラファウ・ブレハッチ

(演奏曲目)

  ショパン バラード 第3番 変イ長調 作品47
         幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61
         ワルツ ヘ長調 作品34 第3

(会場)

  東京オペラシティ コンサートホール
  (2006年11月24日収録)

[所感]

本日の「クラシック倶楽部を楽しむ」は、NHKの「クラシック倶楽部」がクラシック・アラカルトと称して企画した、イム・ドンミンのピアノ・リサイタルとラファウ・ブレハッチのピアノ・リサイタルの2本立てです。

イム・ドンミンとラファウ・ブレハッチのプロフィールを見ると、二人共若手ピアニストの部類に属するのですが、これまでの道のりはだいぶ違うようです。

イム・ドンミンは1980年生まれ、韓国出身で、10歳代前半で韓国国内の3つの名門コンクールを制覇し、14歳でモスクワに移り国際的舞台に活動範囲を広げるため研鑽を積んだようです。

彼のオーディション歴は、1996年:第2回青少年のためのショパン国際コンクールで優勝、1998年:第11回チャイコフスキー国際コンクールでセミ・ファイナリスト、2000年:ヴィオッティ国際コンクールで3位、2001年:ブゾーニ国際コンクールで3位、2002年:再び第12回チャイコフスキー国際コンクールで5位、2004年:第56回プラハの春国際コンクールで2位、2005年:第15回ショパン国際ピアノ・コンクールで3位、という堂々たるものです。

それでも国際的な初舞台は、2004年のプラハの春国際コンクールの後で、24歳の時にロンドンで初リサイタルを行っています。

クラシック音楽界の舞台裏などについては詳しくありませんが、イム・ドンミンのオーディション歴を見ると、一般的サラリーマンの世界では相当な苦労人に相当するのではないでしょうか。

また、日本人も含めて、東洋人が西洋音楽の世界にデビューするのは本当に大変なことだということを思い知らされます。

したがって、イム・ドンミンのピアノ演奏には、どちらかというと筋金入りの職人魂のようなものがあるのではないか、と聴く前に感じてしまいました。

一方、ラファウ・ブレハッチはというと、1985年生まれ、ポーランド出身で、オーディション歴の主なものとしては、1999年:青少年のためのポーランド・ショパンコンクールで2位、2002年:A・ルービンシュタイン国際青少年ピアノ・コンクールで2位、2004年:第5回浜松国際ピアノ・コンクールで2位、2005年:モロッコ国際ピアノ・コンクールで優勝、同じく2005年:第15回ショパン国際ピアノ・コンクールで3部門完全制覇して優勝、という輝かしいものです。

ラファウ・ブレハッチもオーディション歴はかなりあるものの、レールが自然に敷かれていて、いつの間にか最高峰に達していたようなところがあり、どちらかというと坊ちゃん派のように感じてしまいました。

このように、やや対照的な二人の演奏が聴けるということは非常に興味深いことです。

まず、ドンミンがシューベルトの4つの即興曲作品90を演奏します。

シューベルトは才能とは裏腹に、生活的にはあまり恵まれた状況ではなかったようで、作曲家仲間では苦労人で職人肌の部類に入るのではないかと思いますが、何かドンミンと符合するところがあるような気がしてしまいます。

ドンミンの演奏は、彼の人間性を反映するかのように、聴く者を包み込んでくれる包容力を持っています。

それでいて、自分の音楽を押し付けるというわけではないのですが、自己主張的です。

ドンミンのピアノ演奏はペダル操作の巧みさに特徴があると思います。

音の一つひとつをはっきりと浮き立たせるために、無駄なペダル操作をしません。

ですから、聴いていて旋律がとても気持ちがよく伝わってくるのです。

次の機会には、ドンミンのバッハをピアノで聴いてみたいと感じてしまいました。

さて次は、ブレハッチがショパンの小品を演奏します。

ポーランド出身でショパン国際コンクールを制覇した20歳のピアニストは、まさにセンセーショナルです。

しばし瞑想の後、バラード第3番の演奏を始めました。

一本一本の指先に腕の重みを乗せるようなピアノタッチはとても明るく軽快な音色を出します。

幻想ポロネーズでは、重い導入部で厚みのある音色が欲しいところですが、やはり軽い音色で響いてしまうようです。

ブレハッチのショパンは、さすがに聴いていてとても華やかで軽快に響きショパンにふさわしい音色だと思いました。

また、ブレハッチの若々しさが良く生かされていて、清々しい音楽性が表現されていたと思います。

暗く重々しい表現については賛否両論あるかも知れませんから、今後のブレハッチの音楽づくりに委ねたいと思います。

本日の「クラシック倶楽部」では、若手のアーティストの中でも、やや対照的な”職人派イム・ドンミン”と”坊っちゃん派ラファウ・ブレハッチ”という2人のピアニストを聴き比べることができて、とても興味深いものがありました。

以上、「クラシック倶楽部を楽しむ」でした。
posted by クラシックマ at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック倶楽部を楽しむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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