2008年05月04日

仲道郁代 ピアノ・リサイタル

[クラシック倶楽部を楽しむ] 本日のプログラム

[NHK BShi 4月28日放送分]

仲道 郁代 ピアノ・リサイタル

(演奏曲目)

  ベートーベン エロイカ変奏曲 作品35

(会場)

  紀尾井ホール
  (2006年11月5日収録)

[所感]

ごきげんよう。支配人のクラシックマです。

本日の「クラシック倶楽部を楽しむ」は、「クラシック倶楽部」のアラカルトから仲道郁代のピアノ・リサイタルを取り上げます。

この日放送されたのは、ベートーベンのエロイカ変奏曲1曲のみです。

エロイカ変奏曲は、わずか12小節しかない第1主題と第2主題の旋律をあれこれ15変奏にして、それを導入部と終曲で挟むという構成的には一見単純ではあるものの、ベートーベンの創作の妙味というものが良く表れた作品であると思います。

仲道の演奏は本当に久しぶりに聴くことになったのですが、この放送が収録された2006年は仲道が演奏活動を始めて20周年ということで、各地で記念コンサートを開催していた時期だったようです。

11月5日の紀尾井ホールでは、このほかにどんな作品が演奏されたのか分かりませんが、仲道郁代ダイアリーに書かれていることを紹介させていただきます。

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11月5日
紀尾井ホール20周年記念コンサート

今の私の集大成ともいえる、ベートーヴェンプログラム。

満席のお客様、応援してくださったかたがた、

これまでお世話になったかたがたへの感謝の思いとともにあるコンサートだ。

ハンマークラヴィアは、冒険ではあったけど、

この場で、最後のフーガ指定とおりの144で弾きたいと思い、それで、決行する。

最後のフーガは、実演は別にして、ベートーヴェンの頭の中では、

絶対あのテンポで鳴っていたと思うから、あと、20年たったら、

そのテンポでは、私は弾けなくなると思ったから。

ハンマークラヴィアについては、全楽章、私なりの解釈、思いがとても沢山あって、

それを生きた形で演奏したかった。

今日のこの日、この演奏については、もちろん、細かなことをいえば、いろいろあるけれど、

私としては、今の私の全てであり、現実と、そうでない世界のキワに身をおく事が出来た、

貴重な、大事な、忘れることの出来ない演奏会となった。

皆様、本当にありがとうございました。

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日記にあるように、この時期の仲道はベートーベンのピアノ・ソナタ全集のCD製作に取り組むなど、ベートーベンの研究に没頭していたようです。

この日には、“ハンマークラヴィア”のフーガをテンポ114で演奏した様子が記されていますので、相当に気迫のこもった演奏内容だったのではないかと推し量られます。

このような状況を考えると、放送されたエロイカ変奏曲がとても変化に富んでいて楽しい演奏になっていたことに頷けるような気がします。

仲道郁代のベートーベンは、眉間にしわ寄せて聴くものでは決してありません。

とても機知に溢れていて、聴いていると心からワクワクしてしまうような楽しい演奏なのです。

演奏者にとっては極めて難しい要求をしているであろう作曲者ベートーベンに対して、仲道は堂々と「私はこう思うの!」と言って、聴く者が分かりやすく聴けるように橋渡しをしてくれるから、ベートーベンの音楽が楽しくなるのだと思います。

久しぶりに聴いた仲道の演奏でしたが、「えっ、ベートーベンの音楽はこんなに楽しいの!」と思わず叫んでしまいそうなウィットに溢れた素敵な演奏でした。

仲道が、ピアノの旋律と一緒に歌っていた姿と、使用されていたピアノの音色がとても印象的でした。

本日の「クラシック倶楽部」は、仲道郁代のベートーベン作品の演奏によって、楽しいベートーベンの音楽に接することができ、清々しいひと時が過ごせました。

以上、「クラシック倶楽部を楽しむ」でした。
posted by クラシックマ at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック倶楽部を楽しむ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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